静かな部屋に一人で座っているとき。
あるいは、夜ベッドに入って目を閉じたとき。
まわりは静まり返っているはずなのに、
頭の中だけはずっと賑やかにおしゃべりを続けていることはありませんか。
「明日はあれをして、これを用意して」
「さっきの伝え方、少し言葉足らずだったかな」
「もっとうまく進められたはずなのに」
現代を生きる私たちは、起きている時間のほとんどを
「言葉」と「段取り(思考)」の中で過ごしています。
真面目で一生懸命な人ほど、頭の中の会話はなかなか止まってくれません。
そんなとき、「もう考えるのをやめよう」と自分に言い聞かせることもあります。
けれど、不思議なことに
「考えないようにしよう」とすること自体が、実はひとつの思考です。
「ポジティブに捉え直そう」「反省するのはやめよう」と、
言葉を使って自分を説得しようとすればするほど、
脳は新たなエネルギーを使い、かえって緊張を深めてしまうことがあります。
言葉で疲れてしまった頭を、言葉だけで静めるのは、とても難しいことなのかもしれません。
ふっと力を抜くための鍵になるのが、「音の響き」です。
日常の言葉や文章を受け取るとき、私たちの脳は無意識に「意味」を理解しようと働きます。
誰かの発言を分析したり、正しさを測ったり、次に返す言葉を探したり。
ですが、ただ静かに響く音には、分析すべき「意味」がありません。
整えられた音の重なりや、ゆったりとした波のようなゆらぎは、
理屈や思考のガードをふわりとすり抜けて、
耳から直接、身体や感覚へと染み渡っていきます。
意味を追う必要がなくなった瞬間、
フル回転していた左脳は、ようやく「お休み」の時間を迎えることができます。
頑張って何かを感じ取ろうとしたり、集中しようと気負う必要はありません。
1日のうちのほんの数分。
イヤホンやヘッドフォンをつけたら、
ただ流れる音の波に、そのまま頭と身体をあずけてみてください。
「あ、また別のことを考えていたな」と気づいたら、
「気づいてよかった」と心の中でそっとつぶやいて、
再び音の響きに耳を澄ませてみる。
※ 自分を責めずに「気づいてよかった」で終わらせる大切さについては、また別の機会にゆっくりとお話ししますね。
それだけで、ぎゅっと握りしめていた思考の力がふっと緩み、
頭の中の余計なノイズが静まり、
あなた本来の穏やかな波へと戻っていきます。
言葉を探すのを少しお休みして、
ただ音の響きの中に身を浸す時間。
今日はお仕事の合間や眠る前のひとときに、
頭をそっと休める音を受け取ってみませんか。
思考を休める「讃美歌」
意味を追うのを手放して、ただ耳を澄ませるひととき。
深く息を吐きながら、音の波に身をゆだねてみてください。
※ 音量にご注意のうえ、ゆったりとした呼吸とともにお聴きください。